採択事例の概要
相談者は整体整骨院を経営する事業者。
今後、障がい者グループホームの立ち上げを考えていて、その内装工事費などを補助金対象にしたいという相談でした。
この案件は最初お受けできないかと思っていました。
というのも、事業再構築補助金の募集要領8ページ目に
「運営費の大半を公的機関から得ている法人は補助対象となりません」
という表記があり、これには「診療報酬(レセプト報酬)」も含まれるためです。
つまり、すでに売上の大半が診療報酬となっている事業者はその時点で補助対象外になるからです。
ただ、補助金事務局に確認を取ったところ、「あくまでも既存事業が対象となるため、新規事業についてはこの要件は関係ない」という回答が得られたので、サポートの依頼をお受けすることとなりました。
参考までにこの文言で言う【大半】というのがどれくらいの割合かというと【50%】。
つまり、既存事業の売上のうち診療報酬が占める割合が50%以上の事業者は補助対象外となってしまうということだそうです。
相談者に確認したところ、既存事業は診療報酬の施術もあるが、自費診療中心で診療報酬の割合は50%未満だということで、問題なく進められました。
補助金受給額
550万円
補助対象経費
建物改修工事一式、エアコン導入、施設内の生活用品一式
ポイント
グループホームの立ち上げはほとんどコストが掛かりません。
建物を新築で作るのであれば別ですが、一軒家やアパートを賃貸で借りる場合は原状回復を考えてそもそも大規模な内装工事はできませんし、初期コストを掛けすぎると回収できなくなってしまうからです。
この相談者も同様でした。
打ち合わせの中で相談者から「将来的には5棟くらいの運営を目指したい」という言葉があったので、『であれば、計画を少し前倒しして1年で3棟分くらいの立ち上げができるとそれらすべてを補助金対象にできますね』という話をしたところ、「それで行きましょう!」ということになり、3棟分の計画を盛り込んだ事業計画書を作成しました。
幸い、事業再構築は「事前着手申請」というのがあり、採択前からの取り組みも補助金対象にすることができるため、1棟目は採択結果が出る前に許認可申請の手続きを進めて、2棟目・3棟目についても前倒しで物件探しを始めてもらいました。
採択後、すぐに2棟目の物件契約をして、3棟目もスムーズに物件を押さえることができ、途中トラブルはあったもののなんとか3棟全て事業実施期間内に立ち上げることができました。
この事例のポイントとしては、
・横展開が可能なビジネスであれば複数店舗の申請も可能
・新事業が診療報酬中心の福祉事業でも申請可能
だということ。
参考にしてみてください。
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