この記事では2024年4月に新しく出てきた東京都限定の助成金「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業」の詳細について詳しく解説していきます。
「うちの会社は受けられるんだろうか?」
「受けるとしたらいくらくらい補助金を受け取れるんだろうか?」
「どんな要件があるんだろうか?」
などといった疑問点や不明点の解消にお役立てください。
参考までに補助金の公募要領が掲載されている公式サイトのリンクも貼っておきますので、こちらも参考にしてみてください。
⇒https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/kankyo-sokuo/index.html
①主な要件
まずは「要件」は大きく2つあります。
この両方の要件を満たしていないと申請することができません。
東京都内の中小企業者(個人事業主含む)であること
中小企業とは「資本金」「従業員数」のいずれかが下記に収まっていることが条件となります。
ただし、中小企業であっても以下いずれかに該当する場合は補助対象外となってしまいます。
・発行済株式の1/2以上を1社の大企業が持っている
・発行済株式の2/3以上を複数の大企業が持っている
・役員の半数以上が大企業の役員や職員
・その他大企業が実質的に経営に参画している
要は大企業が関係している事業者はNGということです。なので、例えば大企業の子会社や孫会社もNGとなります。
また、「都内の事業者」について、事業の実施場所についてはより詳細な条件があります。
都内で事業を実施する場合は都内に本店または支店があること、上記にある都外の県で事業を実施する場合は都内に本店があることが条件となります。
個人事業主の場合は「納税地が都内にあること」が条件となります。
売上が減少していること
次に「売上が減少していること」も要件となります。
具体的には、
・直近決算期の売上が2019年以降のいずれかの決算期と比べて減少している
・直近決算期で損失計上している
のどちらかに該当している必要があります。
例えば、3月決算の会社だとしたら、2023年3月期の決算書上の売上が2019年3月期、2020年3月期、2021年3月期、2022年3月期のいずれかの決算書上の売上と比べて減少していることが条件です。あるいは2023年3月の決算書上で「営業利益」がマイナスになっていても要件を満たします。
個人事業主の場合、2023年の確定申告書上の売上が2019年~2022年いずれかの年度の売上と比べて減少していること、あるいは所得税青色申告決算書1P目の右下にある「所得金額」がマイナスであることが条件となります。
交付決定後の取り組みが補助対象
この補助金は交付決定後の取り組みのみが補助対象となるため、交付決定が出る前に発注したり支払いが済んでいるものは対象外となりますのでご注意ください。
面接審査を受けること
この補助金は書類審査通過後に「面接審査」があります。
主に書類の内容について聞かれるようです。
おそらく、昨今問題になっている代理申請対策の1つかと思われます。
そのため、書類作成を外部に丸投げするのではなく、きちんと担当者が内容を把握して理解しておく必要があるようです。
②助成上限額と助成率
次に助成上限額と助成率については下記の通りです。
●助成上限額:800万円(千円未満切り捨て)
●助成率:2/3
これは一律で定められています。
③助成対象経費
次に助成対象経費についてです。
ポイントは、
●既存事業の「深化」:既存事業の質を高める取り組み
●既存事業の「発展」:既存事業を基に行う新たな事業展開
のどちらかに該当している必要があります。
そのため、すでに事業を行っていることが前提で、創業や新会社による事業は対象外となってしまいます。
また、既存事業をベースとするため既存事業と関係がない取り組みも対象外となってしまいます。
その上で、助成対象経費は大きく下記4つに分けられます。
●設備投資関連経費
売上向上や生産性向上、省人化・省力化のための新たな機械設備やシステム導入が助成対象となります。
例えば、製造業で使う新しい生産ラインの導入や、飲食店の厨房機器、生産管理システム、ロボット導入、テーブルオーダーシステムなどが該当します。
●販売促進関連経費
商品・サービスをPRするための自社Webサイト制作、自社ECサイト制作、チラシやDMの制作費、動画制作費、Web広告費やデザイン費、市場調査費などが該当します。
サイト制作であえて【自社】という言葉を使っている理由は、「サイトは独自ドメインでなければいけない」「外部プラットフォームで作成したサイトはNG」だからです。
そのため、例えば独自ドメインを取得していない、ECサイトで楽天市場やAmazonなどに掲載するためのサイト制作は対象外となってしまいます。
※「市場調査費」「販売促進費」だけでの申請はNGです。必ず機械設備やシステムなどの設備投資とセットで申請する必要があります。
●研究開発関連経費
製品やサービスを開発するための経費も助成対象となります。
例えば、商品開発のための機械部品や電気部品、飲食店の新商品開発にかかる食材費、試験・評価の外部委託費、製品製造の外注費などが該当します。
●その他経費
その他、産業財産権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権)の出願に関する経費であったり、企画適合の認証登録費であったり、新商品・新サービスにかかるテナント家賃であったりも助成対象となります。
家賃が助成対象となる補助金・助成金はほぼないので、これが入っているのは珍しいですね。
※「その他経費」だけでの申請はNGです。必ず機械設備やシステムなどの設備投資とセットで申請する必要があります。
助成対象経費は細かく定義されていますが、ざっくり言うと『内装工事費以外の経費はほぼ助成対象となる』と抑えておくと良いです。
④応募〆切
この助成金の特徴は『毎月応募〆切がある』ことです。
2025年3月までですが、毎月応募〆切があるのでご自身の設備投資のタイミングで申請することが可能です。
⑤まとめ
比較的補助金額が大きいこの助成金は使い勝手が良く、ものづくり補助金や持続化補助金の代わりになりそうです。
「持続化補助金」や「ものづくり補助金」は今年度から公募回数が減ると言われています。そのため、次の応募〆切がいつになるかわからないため、すでに設備投資の計画がある事業者は積極的に活用すべき助成金の1つですね。
また、募集要領を見る限り業種の縛りがゆるく、福祉事業者(グループホーム運営会社や就労継続支援事業所運営会社)も申請することができるようです。
ぜひご活用ください。
第7回までは申請受付が先着順でしたが、第8回以降は「申請受付期間中の申請はすべて受け付ける」に変更されました。
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